レスレクシオン到着

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町のタクシー乗り場へ向かう。 「宿を探してるんですけど~」 中年のタクシーの運転手の男は物珍しそうにジロジロとサラを見る。 乗りな、と短く告げる。 車を走らせながら運転手は尋ねる。 「お嬢ちゃんオルディかい?」 オルディとはアンノブルがアンノブル以外の人を指すときの俗称である。 「んーと」 サラはちょっと考えて 「今はそうかなぁ?」 男ははぁ?と(いぶか)しむ。 「お嬢ちゃんみたいなオルディがこの国にいるのは珍しいな。ちゃんと入国許可はもらってるのかい?」 「し、失敬な!もらってるよ!」 「ごめんごめん、ただ知っての通りここは観光に来れるような国じゃないからさ」 レスレクシオン国の入国というのは簡単ではない。 観光目的の入国は一切認められていない。 必然的にオルディでこの国に入れるのは各国要人、学者や研究員や医者、配送業者、マスメディアなどの一部の認められた者だけだ。 サラはその認められた留学生だ。 「私、ベルナール高校に入学するの」 キキーッと急ブレーキがかかり、車内が大きく揺れる。 「ちょ、ちょっとおじさん!」 「じょ、冗談だろ?」 運転手は驚きを隠さない。 「オルディがスレイヤーの学校に入学するなんて聞いたことないぞ!?」 「うん。私が初なんだって。」 「オルディがテクニカを使えるわけないだろ!?」 テクニカとはスレイヤーが操る魔法のことだ。 「いや、私―――――」 「っておい!ベルナール高校に入学するっていったな!?」 サラの言葉を遮った。 「入学式もうすぐ始まるぞ!」 「ええーーーーーー!?」
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