序章と少女の夢

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少女は目をつぶりすべてを諦めたその刹那だった。 「スエロ!」 その声と同時に土砂流の中から土が現れ、盾の形を成し少女を覆い隠し波を凌いだ。 その後すぐに少女は抱きかかえられ体が空に浮かんだ。 少女がしがみついていた木は今しがた流れに飲み込まれていった。 その人はくの字をした棒に横座りになり少女を抱っこした形で空を飛んでいた。 「怖かったね...もう大丈夫だよ」 その人は少女を胸に抱き、優しく言った。 少女はさきほどの恐怖心からなのか安堵からなのかわからない、ただひたすらに大声を出 してその人にしがみつき泣きじゃくった。 少女はそのまま山の頂上に送られた。 山頂に着地せんとするその人に抱きかかえられた少女の姿を認めると、フランカは走り寄って少女を強く抱きしめた。 「サラ・・・良かった、良かった」 フランカは涙を浮かべた。 サラと呼ばれた少女はまた泣きじゃくった。 その人は2人を優しく見守っていた。
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