久々の同期会

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 全ては私の勘違いで、横綱級の独り相撲だった。本当は、彼の気持ちは私にあったのに。  結局のところ、それが引き金となって本社勤務の彼に対し、本社に居づらくなった私は、誤解のまま自らの希望で北の地に転勤してしまった。  早いもので、もう7年の歳月が風のようにそれとなく流れて行った。  上辺はお互いに昔話を懐かしむそれなりに大人になった二人。でも、実際は三十路を一人で細々と歩んでいる私と、溺愛する一人息子の写真を見せまくる彼。  先行き不安の私に対し、幸せに満ちた余裕の笑顔の彼。  心の全てを一まとめにして見せないようにジッパー付きのビニールの袋に仕舞い込んでも、所詮は透明なビニール。対等に目えるように背伸びをしていても私の心なんて、きっと透け透けなのだと思う。  どんなに背伸びしようとしても彼との当時の身長差20cmは一生詰まることは無いのかも。私はカルシウムの接収が足りなかったのだと思う。特に精神に。。。  あれから私の人生の流れは一変してしまった。  今思えば、それまでは割とツキに恵まれた人生だったように思う。なのに、それからはツキに見放され、人生の岐路では常に負けっ放し。一度外したレールに再び乗る気配は今のところ皆無。  今日は同期の一人、私にとって”最後の砦”だった同期の女性の結婚式。彼女にも置いて行かれてしまった。  そして、それに合わせて開かれた同期会。沈んだ顔は見せられないのは、結婚した彼女の為と言うよりも自分のプライド。  32人だった同期は、今では全国各地に散らばり、更に9人が既に退職。  その内、今回この同期会に参加したのは、その披露宴に参加した者と、本社と近県に勤務する者で総勢12人。結構集まったと思う。  さて、ちょっと訳ありな私は、この中で何番目に幸せなのだろうか?なんて思ったり。  同期会には、同期の新婦ちゃんに新郎殿も少しの間だけだったけど参加することになっている。この状況下、遥々北の大地から披露宴に参加した私が、ここまで来て同窓会に参加しない分けにはいかない。私も人の子である以上。  同期会自体、皆が集まること自体は嬉しいことではある。  でも、予想された通りに彼との7年振りの再会。更にそれ自体キツイのに、想定とは別の展開。予習は無意味になってしまった。  はっきり言って今の私に、それはキツ過ぎる。。。
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