第1章 彼女が、ゾンビィになった日

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 儚乃は、 「行くよっ」  と、小さくつぶやいて、  ビョーン  と大股に跳躍した。それはまるで、昔テレビアニメで見た「妖精」のように飛び跳ねていった。  僕は、なんだか小さくなったような気分で、揺られて、揺さぶられて、次第に気持ちよく、うつらうつら、うとうとしてしまった。 「ちょっと、何寝てんのよ!」  はた目には、緑色の化け物に担がれた、食われる寸前の「獲物」にしか見えないだろう。  だけど、僕は少し、「しあわせ」な気持ちがして、再びびしょ濡れになりながらも、うとうととしていた。
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