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ゾンビィだから、日光は苦手らしい。
とぅるる、とぅるる
「はぃ」
業者からのモーニングコールで目が覚めた。
「のーそんけやき通り店ですが。代金引換の商品が入ってます!」
朝っぱらから、デカい声だなと思いつつ。
「もう、こんな時間か」
カーテンを開けようとすると、誰かが足を引っ張った。
「開けないで」
「なんで? まぶしい?」
「ゾンビィだから、日光は苦手」
「え? でも、昨日は大丈夫じゃなかった?」
「雨降ってたし。夕方なら大丈夫だけど、朝日はツラい」
まさか、日光に当たると蒸発して消えてなくなることはないと思うけど、一応、ゾンビだし、日光には気を付けないといけないと、僕はゾンビィ・ノートに描き込んだ。
よく晴れた青空に、太陽がまぶしかった。
チャリで五分程度のコンビニに行き、代金を支払った。
「消費税入りまして、5万8千円になります」
「は、はい……」
僕は、生まれて初めて5万円以上もの買物をした。
ていうか、高くね?
顔をちょっと変えるぐらいで、こんなにすんの?
ブツブツと呟きながら、両手にすっぽりと収まるぐらいの段ボールを手にし、家に着いた。
「儚乃ちゃん、帰ったよ」
彼女は、布団にくるまって寝ている。
「明るいのキライ!」
「まぁまぁ。これ、儚乃ちゃんにとってもいいマスクだよ!」
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