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そいつはまた大声で笑い始めた。
その、無神経な大笑いなんとかならないの?
アイスクリーム一つでそんなに嬉しがるなんてアホじゃない、
その角刈りの頭、もう少し、今どきの男の子ふうにできないの?
身体にピッタリの自転車選手のユニフォーム、プロレスラーみたいなあなたの体形にちっとも似合ってないんだけど、
そんな私の困惑をよそに、その暑苦しいヤツは「ガハハハッ美味しかった、助かった、どうもありがとう、ガハハハッ」となおも大声で笑いつづけていた。
夏の狂暴な日差しの中、こんな高い所まで自転車で登ってくる、バカ体力と無駄な日焼けは尊敬するけど、世界平和にはまったく役だたないんですけど。
笑うと目じりにシワがよってオジサンみたい、
人の迷惑顧みず、美味しかったら、全力で「美味しい」って言って、
嬉しかったら渾身の力を振り絞って「ありがとう」って言って、
クジラをも飲み込みかねない大口あけて笑い続ける、
その単純バカさの度合いは、特別天然記念物なんですけど、
でも、そこまでハイパーウルトラ単純バカだったら、嘘をついたり、人を裏切ったりすることなんてできないでしょうね、
そんなに他人の痛みを気にしてたら、とっても苦しいよ、
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