瞑目するウィステリア

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瞑目するウィステリア

 私の神様、あなたとの最初の思い出がなんだったか、何度も考えてみるのだけれど分からないの。頑張っているのよ、あなたと一緒に暮らした時間を計ってみたくてね。  でも、駄目だわ。見事なウィステリアの花房が、空が融け落ちてきたみたいに揺れているけれど、これが何度目の春なのかすら、分からないのだもの。
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