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話が通じないのは神様にしたって同じで、腹の立つようなこともあったわ。衣装を作るからと、私の採寸をなさるオリヴィア様が、工房の棚に並んだお人形の一人を示して、あの子みたいに真っ白なのはどうかしらと言ってくださったときなんて。
「あれは婚礼衣装だよ。可愛い娘を、もうお嫁に出してしまうのかい、勿体ない」
整え終わったばかりの私の髪のくずをまとめて捨てながら、神様はからかうような調子だった。でもオリヴィア様は真面目な顔で、「それもそうね。やっぱりこの子の目の色と同じにするわ、迷っていたの」と頷いてしまった。私は白が良かったのに。
「君の思うような布が無ければ、言ってくれ。一昨日、街に液状磁器粘土を仕入れに行っただろう。どうも内戦が……いや、大丈夫さ。とにかく買物は僕が行く。それに君はこの頃体調が良さそうだけれど、無理は禁物だよ」
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