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麻友と別れた後、紗知は帰路に着いた。
「……売ったら、いくらするのかな。」
紗知は首にかかったチェーンを摘まんで、引っ張った。
そこには、銀色の指輪が通されている。
小さな白い宝石がついているあたり、安くはないはず。
質屋に持っていったらわかるのだが。
紗知にその気は全くなかった。
「………入浴剤、まだあったかな。」
「紗知。」
後ろから声をかけられる。
聞き覚えのある、ぶっきらぼうな声。
ぱっと振り向いた紗知の顔は、驚愕の色とそして満面の笑みを浮かべていた。
また何かが溶ける音がした。
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