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これが最後の枷だ。
全ての人間から忘れ去られて軽くなった私の、最後の重り。
私と言う存在を消す為の、最後の荷物。
捨てるのは私が持った、自分自身への期待。
私は、最後まで私に期待していたらしい。
限り無く薄影になった私は、これで本当に透明になる。
私が消えれば、私が私で無くなれば、何も辛いことなんて無いから。何が起ころうが、そこに私は居ないのだから。
中身の無くなった私を想像しながら、最後の荷物手放した。
私が消え去って、楽になるために。
ほんの少しの寂しさと一緒に、私は……
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