第三話

1/8
65人が本棚に入れています
本棚に追加
/78ページ

第三話

目が覚めた。 テーブルの上、酒がいっぱい並んでいた。 飲みすぎたー。 腕を揚げたらワイシャツを着ていた。 やっぱり大きいな。 自分よりも大きい人がいる、なんてそのシャツを見ながらそう思った。 起き上がるとはだけた胸が見えてる、その下も裸。 「部長、時間、仕事」 痛い頭、でもなんかすっきりしていた。 「ん、うーん」 楽しかった、めちゃくちゃ楽しかったような気がする。 隣の人が起き上がる。 「ぷーっくくく」 「ん?」 「それ返してください、やばいと思う」 私のブラジャーをしていた。そのまま取りながら歩きだした。 さすがに下は交換していなかったけど、履いていないのには・・・・ちょっとドキドキ。 脱ぎ散らかしたコスプレの数々。 風呂いいぞ。 立ち上がろうとして足が折れた。 がくがくする。それになんか下というかあそこに違和感。 一緒に入るか? 体を支えてくれたけど、目のやり場に困った。 一緒に入ったけど、メガネがないからよく見えんと言って、さっさと自分だけ洗って出ていっちゃった。 出ていくと、その辺を片付ける上司。 スマホの充電がない。何したんだろう?と聞かれた、私のもない。 「今日土曜日だ」 「あー、そうだった、ははは、ぼけてる」 上司は四歳上の三十五、花の独身貴族かなと思っていたら、女装癖のある叔父さんだよといっていた。結婚は?考えたことは? あるけど、これはやめられないそうだ。私のブラを返してくれた。 やっちゃったことはどうでもよかった、だって、悪いのは私だし、部長のせいだけにはできない、こんなブス、抱いてくれただけで感謝した。 出る時お金を半分出そうとした。 「お金はいい、今日暇?」 まあ、こんな顔だし、帰って寝るだけだし。 買い物に付き合ってほしいという。 「別にいいけど」 「お前化粧品持ってないの?」 あるよと見せたポーチ。 少しは隠せよなと手際よく出しては塗られた、なんでできるの?と聞いたら年季が違うんだよだって。 「ほら目とじろ」 目の前にいい男です、閉じたくありません。といったら当たり前だと言われた。それでも目を閉じて、黙ってしてもらった。 ほらと言って見せられた鏡を覗いた。
/78ページ

最初のコメントを投稿しよう!