あしたの戯れ

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あしたの戯れ

小さくなった飴玉を噛み締め立ち上がり 意外に重い硝子戸(がらすど)を引いて境を越え (さえず)りが遠く静かに湧いて吸い込まれる 薄明(はくめい)の冷たい風に金木犀(きんもくせい)は溶け 山際の翡翠色(かわせみいろ)をスポイトで取り出し まだ暗いところの空にすっと線を引いた 握る形の指先は少し震えている
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