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やっぱり緊張するなぁ。なんだか危険なことに足を突っ込むみたいで気も引けるし。
岬は『美メンズ・イメージクラブ』と書かれた店頭看板の前を何度も通り過ぎた。
「お店、入るの?」
ふと足を止めた瞬間、岬の背後から誰かが声をかけた。振り返ると、ふんわり緩やかなパーマをあてた長身の男が、岬を見下ろすように立っていた。
「あっ……はい」
──言っちゃった。
咄嗟の返事を悔やむ暇も与えず、男は岬の手を取り、店内へと促した。
──もう、後には引けないよ。
男に導かれるまま、岬は店の中へと吸い込まれていった。
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