ニジュウイチグラム

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飲み終えた缶コーヒーを茅野がゴミ箱に放り込む。 一泊遅れて左手の缶コーヒーをゴミ箱に入れようとして、躊躇った。 「重症だな、おい」 そんな俺を見て茅野が大口を開けて笑い出す。 「重症なんだよ、マジで」 そんな自分を笑い飛ばす事くらいしか出来なかった。 「なぁ、茅野、」 歩きだす茅野の背中を呼び止めた。 「何だよ」 答えを知りたかったからじゃない。 「俺は……バッドエンドが苦手なんだ」 「じゃあ、ハッピーエンドにしろよ」 能天気なお前なら、きっとそう言うと思ったからだ。 「きっと……無理だ」 「無理なら、来世がある」 「はは! 来世か。俺……来世はミジンコな気がする」 「間違いないな! なら俺はゾウリムシになってやるよ。お前が気にしてるやつも、きっとミドリムシとかになってるんだって」 きっと俺よりも、何倍も俺の事を知ってる茅野だから。 「繋がってるんだって、きっと俺らはさ」 そう言ってくれそうな気がしたんだ。
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