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おそるおそる庭の雪を眺める。太陽の光で雪だるまが溶けていく。
溶けた雪だるまから見えるのは、まさかの人の頭…。何ということだ。
殺されて雪だるまの中に埋められるということなのか!
「おい、待ってくれよ!俺は拉致されるような悪いことをやった覚えはない!しかも、解き明かすことができなかったら殺されるなんて!理不尽すぎる!」
「理不尽なことなどありますか。あなたは、自分の人生をよく振り返るべきなのです。きちんと数日分の食料も用意してあげました。決して非人道的なことをやっているわけではありません。ただ、あなたに反省して欲しいのです」
女の声はきわめて冷静だ。
俺はかなりうろたえていたが、過去を振り返りながら思い当たることがないか考えた。
電子レンジを見て、ふと思い出す。そう、俺はコンビニ店員だ。毎日「いらっしゃいませ」と声を張り上げ、くる日もくる日も接客をしてきた。電子レンジの場所も教えていた。
無断欠勤したこともないし、バイトテロを起こしたこともない。善良なフリーターアルバイトだ。シフトも週5で入っている。
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