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「はあ? 怪獣?」
石川県小松基地。第306飛行隊所属、榊 遼二等空尉(TACネーム:リョウ)の顔には、見るからに呆れ返った表情が浮かんでいた。
「そうだ」飛行隊長の鳥居二佐(TACネーム:キング)が、苦虫を噛み潰したような顔で応える。
「冗談でしょ?」
「いや」
二佐の短い応答、そしてその表情には、あまり多くを語りたくない、という気持ちが存分に滲み出ていた。彼自身、これが冗談だったらどんなに良かったか、と思っていたのだ。
「"キング"さん、どういうことっすか?」
二尉に詰め寄られて、二佐は渋々話し始める。
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五日前より大山村に現れた長さ100メートル、幅30メートル、高さ20メートルの超巨大ナメクジは、その大きさを増しながら川伝いに村の中心部にゆっくりと向かっていた。このままでは村がそのまま超巨大ナメクジの下敷きになってしまう。
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