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それでも、さすがにジェット機ならばその速度に追従できないだろう、と当初は予想されたのだが、偵察も兼ねてやってきた三沢基地第3飛行隊のF-2が見事に粘液の直撃を受け、撃墜されてしまった。パイロットは脱出に成功しており無事だった。
もちろん上下左右に激しく機動するような飛び方には「ナメラ」も追従できないようだが、精度の良い対地爆撃を行うためにはどうしても低高度を直線的に飛ぶ必要がある。そうなると「ナメラ」にも飛行経路が十分予測できてしまうようだった。
その「ナメラ」のセンサーとも言うべき部分が、頭部の二つのツノだった。このツノさえ破壊できれば、「ナメラ」を退治できる可能性が高い。
しかし、戦車砲で狙うにしても、ツノの部分はかなり機敏に動くため、大抵外れてしまうし、外れてしまえば間違いなく粘液の反撃が帰ってくる。破砕型弾頭の地対空ミサイルは有効そうだが、「ナメラ」の体が電波を反射しないため、近接信管が作動しない。
そのツノの破壊が、榊二尉の飛行隊のミッションだった。そして、彼らの機体には秘密兵器が積まれていた。
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