Photograph

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「小夏はどんな仕事してるの?」  と問い直す。 「今は何の仕事もしてないよ。私ってさ、自由人だから、一箇所にずっと留まってるのって苦手なのよね。だから、アルバイトして稼いで、お金が溜まったらこんなふうに目的地のない旅をして、お金がなくなったらまたアルバイトしての繰り返しよ」 「そんな不安定な暮らし、大変じゃないの?」 「別に。今のところ、ちゃんと生きていけてるし。旅の途中で野垂れ死ぬなら、それも本望よ。そんなことより、いろんなことに縛られて生きてる方が、私には息苦しくって仕方ないわ」 「そんなもんなのかな?」 「そんなもんよ。だいたい、章介って、話してたらわかるけど、真面目すぎるのよね。なんか過去に積み上げてしまった(しがらみ)雁字搦(がんじがら)めにされて、辛そうに見えるよ? もっと、自由に生きればいいのよ。そうすればきっと、もっと輝ける」  小夏の言葉は、ある意味で的を射ているように思えた。とはいえ、自分が積み重ねてきたものを全て投げ出してしまうのは勇気のいることだ。今の僕には到底できそうにない。  小夏は空になった缶をゴミ箱に放ると、     
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