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一事が万事、アレックスと一緒にいると自虐的な気分にさせられる。
「あなたに相談した、私が悪かったわ。」
それでも、ただ慰められるよりはましだ。アレックスの取り巻きも、アレックスとミカを2人っきりにしてくれてるし、気を使ってくれてることも良くわかってる。
暫くの間、カウンターで肩を並べたまま2人でお酒を飲んだ。
「…で、どうすんの?」
アレックスが口を開いた。アレックスはミカより歳下で普段はおちゃらけてるけど、いざという時は頼もしい。
…結婚なんていつでも出来るんだろうな。
アレックスを見る度に思う。
口は悪いけど、黙っていればそこそこ良い男だ。
外面が良いのか、よくモテた。
会うたびにパートナーが変わってるし、タイプも性別もその度に違った。
「別れるって言ったよ。だって面倒くさいもん。」
ミカは頬づえついたまま言った。
「ははは。お前らしいな。」
潔いですねと顔見知りのバーテンダーが、静かに言った。
「寝取られちゃったんだもん。仕方がないじゃ無い。」
アレックスとバーテンダーどちらに言うでもなく呟いた。
「お前は男を泳がせすぎなんだよ。もう少し甘えろよ。」
バーテンダーは話の続きを聞きたそうだったが、別の客に呼ばれた。
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