当たり前、常識、エゴ、ゴミ箱へ

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500枚に綴られた物語に 意味はあるのだろうか? 人間が嘲り笑う嫌な笑みに価値はあるだろうか? 彼女が発した言葉に代償はあるだろうか? 君が生きる事に理由はあるだろうか? そんなものが必要あるだろうか? 『五月雨を散らして荒らし怒られる』 「本当に怒られるよ」 『ではやめよう・・・』 私は九頭白(くずしろ)からの注意を素直に受け入れた。ついでにまじまじと九頭白を見つめた。 「何?」 私の熱い視線に気づいたようだ。 『九頭白、私の視力は良い方だ』 「なに急に?自慢話がしたいの?」 『いや、1つ確認したいのだ。というより確信をもちたい・・だから、あえて言う。九頭白太ったな?』 ビクっ 九頭白の反応から私の目は節穴ではないことが分かった。 「爽志(そうし)の視力検査は人にダメージを与えないと出来ないのかなあ?ええ、そうよお!毎日理不尽な事ばかりで暴飲暴食の日々よ!」 『その理不尽がない就職先があるが?』 「どこ?!」 『私に嫁げばいい』 「・・・はい?」 『私の嫁に成れば万事解決だろう?』 我ながら名案だ 「はー、そんな冗談で私を玩具にしないでよね」 『ため息をつくか文句を言うかどちらかにしたらどうだい?・・私は冗談で番井を決めたりしないよ』 全く心外だな、人の好意を無下にするなんて 鞄から手の平サイズの小箱を取り出し爽志の目の前で開けて見せた。 『もう一度言うよ。私の妻になって下さい・・・』 そんなに人の顔をまじまじと見るんじゃないよ 「ば、ばバレンタインのお返しが指輪なんて・・・・っ、ふっう、馬鹿じゃないの!!?一生離さないわよ!?」 『それはそれは至福の限りだ』
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