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答え合わせ
この手紙は僕宛で、しかもそんな風に思われていたと改めて思うと、今から彼女に会う時に照れてしまいそうだ。
いつも無邪気で元気がよく、本田さゆは優しい子でもあった、僕はこのままだと彼女に夢中になってしまう。その前に自分から動かないと行けないと理解している。
僕は机に座り直して、一枚の手紙を書く。
僕は適当に文字を書くと本当にブッサイクな字になるからゆっくりと丁寧な字で書き進めた、そしてズボンのポケットにしまい、教室の戸締りをする。新しく教室が変わってもやる事が変わらない。職員室で、もしかしたら彼女と会うかも知れないと考えていたがもうすでに音楽室の鍵は戻されていた、そうすると彼女はもう既に学校の門で待っているのだろうか。少し小走りで靴を履き替え、門まで走った。学校の門の側に人影が見える、向かって行くにつれて分かってくる。肩から掛かっている楽器と小柄で、髪が長い少女は薄暗い中で相変わらずの笑顔で待っていた。
「お待たせ」
「女の子を待たせるとはー、それで、手紙は見つかった?」
「うん、ありがと手紙。だから僕からのお返し」
僕はズボンから手紙を出して彼女に渡す、受け取った彼女はさっきまで無邪気な笑顔だったのに、今は耳まで赤くして僕が渡した手紙を見つめている。
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