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「見よ。よい住宅が見つかった。」
もう夜に近い時間帯で、室内は暗い。
だが、バサラブは明かりをつけない。
必要がないから。
見えるのだから、不自由はない。
使い魔も同様だ。
フェクテとネグルは、無表情のまま室内を見回した。
リフォーム済みで、それなりに清潔感はある。
間取りが古くさいが、住居としては十分だ。
角部屋らしく、窓が多い。
ベランダも2方向にある。
ただし、片方はほんの少し窓から張り出している程度で、ちいさなプランターを1、2個置く程度で満杯になる。
「プレジデンスコート明星という名だけは大層な8階建てのマンションだ。どうだ、わし一人で購入したぞ。」
いばるバサラブに使い魔二人はただ頭を下げた。
つっこみがほしいバサラブにとって、この反応の薄さはつまらない。
つまらないが、ここにはこの使い魔しかいない。
そして、一人で購入したというが、バサラブは不動産屋でチャーム(魅了)の術を使ってすべての書類上の手続きからガス水道電気の手配までさせただけのこと。
大金を置いてきたのは、彼の妙に良心的な観念によるものだった。
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