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「それにしてもだなあ。確かにこの国の人間の居住文化を堪能できるかもしれんが、わしとてペット並みの扱いは好まん。このような住居で、どれほど楽しめるか困惑しているのだ。」
購入してみたものの、予想以上に狭い、狭くて貧相、そう言いたいらしい。
現地確認せずに購入するとそうなるのだということを、バサラブは知らない。
それはそうだ、中古マンションを購入したことなどこれまで一度もなかったのだから。
人間社会に遊びに出てくるときは、常にホテルのスイートルームを利用していたのだ。
面白いことには目がないその赤い瞳が、この住空間はジョークととるべきかこれもまた一興と考えるべきかと思案しているかのように揺れる。
「おそれながら。」
ネグルが、バサラブに頭を下げながら進言の許可を得る。
「主がこの国の平均的な住まいをとお考えであれば、こちらがそうなのではないかと。」
バサラブ様のお考えに間違えなどあろうはずもございませんと言うネグルに、バサラブはつまらなそうにふうんと返した。
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