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「主。できますれば、カーテンなどを購入いただけますと・・・」
バサラブは平気。
しかし、使い魔にとって真夏の日差しは厳しいのだろうか。
フェクテが購入物品の追加を訴えた。
「カーテンなんぞしておっては、人間が見えんではないか。」
「人間の住まいには、窓にカーテンやブラインドというものがあるかと。」
「8階とはいえ、外から見上げて不審に思われませぬよう。」
ネグルもカーテンにこだわるところは、フェクテと一緒なのかもしれない。
普段、呼ばれるまでバサラブの影の中に潜んでいる彼らは、標準的な吸血鬼ほどでなくても日光はありがたくないものなのかもしれない。
「しかも、主の尊いお姿を覗き見られるのも避けたいと。」
「覗き!おお、覗きとな!面白いではないか!わしばかり人を覗いておっては不公平というもの!ううむ、しかし正体がバレても面倒くさいしなあ。」
仕方ない、おまえたち明日買ってきなさいと言われ、フェクテとネグルは無表情のまま小さくガッツポーズを作った。
もしかすると、感情に乏しい彼らにしては最大限の喜びの表現だったかもしれない。
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