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彼女が着ているものは、ジーンズにTシャツ。
ブランドものではなく、想像もできないほど安価なものに見える。
肩から掛けている小さなショルダーバッグは、どれほど収納量があるのだろう。
うむーーほとんど入っておらんだろう、やはり貧困層であったか、哀れなーー
おまえの頭が哀れだと言ってやりたい。
そう、彼女にもしバサラブの失礼この上ない発想が伝わっていたとしたら、そう思うだろう。
そうやってじろじろ見るバサラブとは決して目を合わせず、1階につくと女性はそそくさと外出してしまった。
「ふむ。」
バサラブは、マンションの外に駆け出していった女性の背を眺めた。
「さてさて、どうやって友人になるかな。友人になった暁には、まずは栄養価満点の食事と標準並みの衣類をプレゼントするというのはどうだろう。」
そんな未来を想像し、バサラブはにんまりした。
そのためにも、まずは彼女のことを知らなければならない。
そして、自分のことも知ってもらわなければならない。
相手が知りたいと思わなくても、そんなことはちっとも関係ない。
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