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バサラブがこのマンションの一室に越してきてから立て続けに起こっていること。
偶然で片付けられる頻度ではないと、バサラブはどこで気づいたのか。
「いや、なに、君のことは特に問題にはしておらんよ。二人目の仮の友人候補として、ささやかな時間を提供させてもらったが、気にすることはない。わしにとっては微々たる時間であり、碁というゲームはそれなりに体験させてもらえたのだから、わしを刺したことは不問としよう。」
だが、とバサラブは続ける。
目が、爛、と光る。
紅の輝きと共に、犬歯が伸びる。
「君をそそのかしたものと、かのご婦人を追い詰めたものが同一であるならば、わしの大切な友人である睦月くんとて危険やもしれんではないか。睦月くんは、善意からあの土人形を引き取ってくれているのだ。ご婦人の元に半年も居続けたあの土人形をも狙っていたのだとしたら、睦月くんにも危険が及ぶ。友人として、それは阻止せねばならん。」
契約をしたのだと、バサラブは言う。
長い人生の中で、たまさかの遊戯の一部なのだと。
「わしの楽しみに干渉しようというのならば、こちらも毛ほどの本気を見せてもかまわんだろうなあ。」
それは誰に対する宣戦布告であったのか。
倒れている池端は、既に意識を混濁させていた。
バサラブは、その傍らに肉塊の入った袋を投げ捨てて、その場から消えた。
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