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そんな人がいただろうかと、睦月は目を白黒させる。
本当はバサラブが使い魔を放ったのだが、もちろんそんなことは睦月にわかるはずがない。
断罪とバサラブは言ったが、使い魔には男が女性に対し卑劣な行動をとったときは餌にしてもよいと命じてある。
バサラブは、博愛主義者だ。
しかし、その枠から出てしまうものもいるのだ。
そういうとき、彼は容赦しない。
その対象は、自分の一族にも当てはまる。
そして、その枠の範囲は当然ながらバサラブ自身の感覚によるものなので、公平ではない、ないがそんなことを気にするバサラブではない。
「えっと、でもやっぱり警察を呼びます。もしかしたら、他にも酷い目にあった女の子もいるかもしれないし。」
そう言って、睦月はスマホをタップして警察に連絡した。
そんな彼女を、正義感が強くなかなか好ましいではないか、我が友人として申し分なし!とバサラブが判断してしまったのは、気の毒としか言いようがない。
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