エピソード1 バサラブ氏、友人を作る(一方的に)

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「それは彼女に対し、失礼ではないだろうか。」 聞いていたバサラブが、口を挟む。 『そうよそうよ、言ってやってください!こっちがどんな格好をしていようが、襲っていいなんて理屈あるわけないんだからね!性犯罪者の味方か、てめえはあ!』 睦月は、思わずバサラブの方に寄った。 それを見ていた警察官たちの目が、険しくなる。 「あー、外国人?キャン・ユー・スピーク・ジャパニーズ?アンダスターン?」 拙い英語を警察官は半ば小バカにしたように話したが、バサラブはとっくに日本語でしゃべっている。 「パスポート、プリーズ。あるの?ないの?不法入国者?彼女とどういう関係?君、外国人相手のウリ?」 「はあ?」 今度こそ、睦月の顔が怒りで真っ赤になる。 他に被害者を出さないために呼んだ警察官から、どうしてこんな失礼なことを言われなければならないのか。 しかも、知り合いでもないのに自分を助けてくれた善意の塊の(と彼女は思っている)外国人まで侮辱されるなんてーー! 抗議しようとした睦月を、バサラブが自分の背に隠すように前に出た。 「ふむ。役に立たんのであれば、ここにいても無駄というもの。もう行きなさい。」
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