エピソード1 バサラブ氏、友人を作る(一方的に)

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何をと目を剥いた警察官二人の顔が、ストンと無表情に変わる。 その変化を、睦月は見ることが出来なかった。 「はいその通りです。」 「戻ります。」 機械のように言葉を発すると、警察官たちはパトカーに乗り、行ってしまった。 パトカーが見えなくなってから、睦月は思いきり叫んだ。 「もう・・・!役立たずー!ばかー!」 「おお、勇猛な。しかし、そのように叫んでは、レディーの品格を貶めることになる。」 ふむ、そうだな・・・とバサラブは思案した。 「先程何やら買い物をしたと思うが。荷物はよいのかね。」 「あ!」 襲われて落としたままになっていたコンビニの袋を、睦月は探した。 探して、また喚く羽目になった。 「弁償しろー!警察ー!」 警察にレシートまで見せておきながら拾い忘れていた食料の袋は、バサラブが命じたあと不自然に発進して蛇行しかけたパトカーに挽かれていた。 「あああ・・・おにぎり・・・缶酎ハイ・・・」
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