3.竜の巫女

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 黒色の家だらけの地帯を抜けると、次は緑色の石で造られた家だらけの景色が広がっていた。  ここは黒色の場所と比べ、一軒一軒の大きさが大分大きい。 そこを少し進むと、すぐに緑色の家は見えなくなる。そして白い石と金色が目立つ家が見え始めた。  ここは更に一軒一軒が大きく、壁材に使われてる金色の素材は金であると見られた。 「ここは富裕層の所帯か。」 「そうだね。 ここら辺に住んでるやつらは皆、あの鉱山の近くに土地を持ってるらしい。 今通ってきた緑色の家々の辺りに住んでるヤツらは大体首都の辺りから越してきた金持ちさ。 そんであの黒色の建物は俺らみたいな鉱山で働いてるヤツらが住んでる。 でも家も持てないヤツらも多い中、そこそこ大きい家を持ててるだけ俺は幸せだと思ってるけどな。」 シュラスは少し俯いてそう言う。 「そうか。」  何といえば良いのかは分からなかった。 黒は鉱山のすぐ近く。そこから離れるように、緑、白と広がっていた光景を思い出す。 シュラスは決して貧乏ではないようには見えていたが、どこか富裕層に対しての怒りを感じた。 「すまない。巫女様はここを抜ければすぐだから。」  シュラスは周りを出来るだけ見ないようにして歩いてるように見えた。 白と金の家々は、一つ一つが小さな城のようで道はかなり入り組み無駄とも思える高低の差がある為視界が悪い。 きっと愚かな人々が、自身の家の景色を良くしようと争った結果なのだろう。  白い土地を歩き、抜けた辺りで見えたのはかなり大きな木造の建物だった。 横に大きく造られたその建物はざっとみても周りの小さな城五個を並べたほどの面積とがある。 平屋のようだが、壁は木々の色がそのまま。屋根は赤色に塗られた木か何かが使われているようだ。 そして周りには木々が植えられている。  しかしそれは豪華な装飾ばかりがされてい建物だらけの場所にあるのは異質と思えるほど質素な造りに見える。  そして不思議なことにまだ早朝だと言うのにそこにはかなりの人々が集まっていた。 「ざっと2時間くらいか。 あそこに巫女様は居る。 あの大きな木が見えるだろ?」  シュラスは、その建物の少し後方にある大きな木を指差す。 「あぁ、それがどうした?」
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