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そして,私は大学4年生の春を迎えた──。
♪~♪~♪~
夕方,私は歌を口ずさみながら夕飯の支度をしていた。
一人暮らしなのでいつも寂しく夕飯を作っているけど,今日は違う。
ピンポーン──。
「はぁ~い」
TVインターホンで確認すると急いでドアを開けた。
「お帰りなさぁい」
「…ただいま。笑」
照れ笑いするスーツ姿の巧がそこにはいた。
「今日はね~巧の好きな肉じゃがなんだよ~」
「ホントに?嬉しいなぁ」
巧のこの満面の笑みが私はとても嬉しい。
別に私達は一緒に住んでいるわけではない。
巧と私のアパートがそんなに遠くないので,毎週金曜日はこうして私の部屋で一緒に夕飯を食べることになっていたのだ。
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