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「奈津美早く~」
巧が車のドアを開けて待っている。
「はいはい~」
私が乗ると車はゆっくりと走り出した。
車内は暗く,外から入ってくるライトの光だけがチカチカと巧の姿を映し出す。
隣で運転する巧の姿はいつ見てもサマになっている。
「ねぇ~どこまで行くの?」
「ん~秘密~」
巧が前を向いたまま答えた。
ラジオで特集でもやっているのだろうか,懐かしい歌ばかりが車内に流れている。
「ふぅん~」
私はサイドの窓から流れ行く景色を見つめた。
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