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食堂の、いつも自分が昼食を済ます席に座った。リモコンでテレビをつける。
若いニュースキャスター達が弾けるような笑顔を見せていた。
羨ましい……。わからなかった。若さに渇望を抱く時期がくるなんて……。
30歳半ばを迎えてしまえば、見た目の老化は目立ち、体力も以前より衰えてることがハッキリとわかる。
私はいつまでこの歯車で社会を回っていられるだろうか……。
食堂の扉が開いた。
「おう。おはよう」
「おはようございます」
私より二つ年上の違う工程を担当している男が入ってきた。
規定事項と言いたくなるくらい、決まったパターン。
「どうだ?仕事順調か?」
「そうですね。ただ仕事量が多くて切羽つまっています」
「そうだよな。もう全然定時で帰れないよな」
それで会話は終わった。楽しい会話ではない。世間話みたいなものだ。
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