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背徳のクリスマス
罪深いね、と笑う君は共犯者。
聖なる夜の教会で、僕らは聖歌隊の合唱を裏口で聴いている。
絡めた指は離さない。
君の目も唇も僕だけのもの。
もし神が許さないというなら、漆黒の祭服は捨てても構わない。
今となっては、この衣装を好み、背徳を愛する君のためだけに着ているのだから。
甘いささやき。
甘い匂い。
僕はきっともう、君の甘さに溺れておかしくなっているんだ。
密やかな抱擁の目撃者は、舞いはじめた粉雪だけだった。
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