隆臣くんが仲間になりたそうに、こちらを見ている!

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...最近なんか、アパートに帰ると、やたらと視線を感じる。 と言ってもそれは、不快だったり、敵意を感じたりするモノじゃなくて...だからこそ逆に、その意図するところが皆目検討がつかない。 何事かと不思議に思い、振り返ってもそこには誰も居なくて。 ...そういった事が、ここ数日続いている。 そして今日、視線の主である人物を探っていて、全く別の事に気付いてしまった。 大人っぽい感じなのに、ちょっとヤンチャな雰囲気も合わせ持つ、矢本 隆臣さん...通称、おみくん。 彼が鞄につけてるキーホルダー...あれはもしや、『ルパ○ト』のル○ンブルー? ルパ○トというのは先日最終回を迎えた、日曜朝の人気特撮ヒーロー番組の略称だ。 大きな声では言えないが、僕も毎週観ていた。 仕事でリアルタイムで観られない時は、密かに録画していた程だ。 おみくん、もしかして...同志っ!? 僕がガン見してるのに、気付いたのだろう。 おみくんは少しだけ照れ臭そうに、ニッと笑った。 「...それって、ルパ○レンジャーvsパト○ンジャーの、ブルーだよね?」 ゆらゆらと揺れるそれを指差し、思わず聞いた。 そしてすぐに、自分の失態に思い至る。 ...自分で買ったんじゃなく、親戚の子とかに貰った物かも知れないじゃないか! でもおみくんは嬉しそうに笑い、答えた。 「はいっ!よくご存知ですね。  ...久米さんも、お好きなんですか?」 そう。この時彼は、『も』と言ったのだ。 ...よかった、同志で合っていたらしい。 ホッとした僕も、ひそひそと小声で答えた。 「はい、好きです。  特撮ってなんか、ワクワクしちゃって。  ...いい年した大人だから、ちょっと恥ずかしいんですけれどね。」
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