アンドロイド

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 金属的な、やかましい目覚まし時計の音が、今日も僕を叩き起こす。午前7時。会社に遅れないようにするには、あと15分後にはアパートを出なければいけない。  大急ぎで洗面所で顔を洗い歯を磨き、ひげをそり、ワックスで髪を整える。 ウィンダー・イン・ゼリーと、一年前から服用しているうつ病の薬をカバンにいれ、アパートを出る。近所のコンビニに着くにはウィダー・イン・ゼリーは飲み干してしまっている。  コンビニで500ミリリットルのペットボトルの水とおにぎり3つを買う。ゼリーの容器はこっそりコンビニのゴミ箱に捨ててしまう。最寄りの駅に着くと、ホームのベンチに腰掛け、うつ病の薬をペットボトルの水でのどに流し込む。ハア、と一息つくと同時に、ホームに電車が入ってくる。  会社につくと、なるべく余計なことを考えないよう黙々と仕事をする。やがてお昼がやってくると、コンビニで買った化学調味料たっぷりのおにぎりを食べる。  午後の仕事の合間では、同僚と喫煙所でタバコを吸いながら一服する。やがて定時がやってくる。  2時間ほど残業をして会社の外に出ると、もう暗くなっている。ああ。今日も疲れた。帰りの電車に乗り、家路を急ぐ。電車が着くと、朝によったコンビニで夕食のお弁当を買う。  僕は時々自分がアンドロイドなんじゃないかと思う。うつ病の薬に、化学調味料たっぷりの毎日の食事。テレビでみるロボットは、多分電気かなにかで動いているんだろうけど。僕という人間だってたっぷりの化学物質で稼働しているじゃないか。  そんなことを考えながら、僕はシャワーをあび、化学物質たっぷりのシャンプーで頭をあらう。  お風呂場から出たら、テレビをみたり、スマホをいじったり。あっという間に時間は流れ、もう時刻は12時近く。  「さて寝るか・・・。」  僕はキッチンにいき、水道からコップに水をそそぐ。 ベッドに腰掛けると、睡眠薬を口に放り込んで水で飲み下し、布団の中にもぐりこんだ。  
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