5章:棒を掲げるブルドッグ

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「来てください、もう、僕は待ちたくない」 「……っ! こういう時、ミズキの方が積極的なのはなんなんだよ」 「多分、若いんです」 「真面目に答えなくていい」 相楽さんが笑って、その瞬間、切羽詰まっていた空気が緩んだ。 つられて笑った僕の後ろに、相楽さんが己を突き立ててくる。 その勢いに、背中の下でセンターラグがずるりとずれる。 体が逃げるのを阻止するように、彼の両手が、僕の手首をつかまえた。 「は――…」 息をつき、しっかりと繋がった体を意識する。 「はい……った……」 「いけたな……」 額が触れ合う距離で、相楽さんが笑った。 「なんでだろ……お前とだと、こんなことでいちいち感動できる……」 (それは、僕のセリフだ……) 僕の感情を、こんなにも掻き乱してくる人は他にいない。 そう思った途端に目尻を伝って、涙がこぼれ落ちる。 「そんなこと言って、泣かせないでください」 「はは……俺としては違う意味で泣かしたいんだけど、な」 相楽さんがまた笑って、誘うように腰を揺すった。 「あぁっ……」 内側に、彼の一部が息づいていることが嬉しい。 (こういうの、ほんとヤバい。もっと上手にこの人と、気持ちよくなりたくなる……) 「好きです」 上に乗っている彼の腰に、甘えるように片脚を絡みつかせる。 「こら、馬鹿、おまっ……」 中で粘膜がこすれ、相楽さんが追い詰められたような悲鳴を上げた。 「久しぶりなんだから、あせんな。ちょっとは年上をいたわれ」 「どうすればいいんですか?」 「そうだな、力抜いて……それから、足はこうしよ」 体の中心を繫げたまま、股間を最大限に開かされた。 「……わ、ぁあっ!」 それだけで、繋がりがぐっと深くなる。 「なんか……すごい奥に、当たってる」 「ここのことか?」 「ふあっ!」 奥のひだを抉られる感覚に、大きな声が出た。
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