659人が本棚に入れています
本棚に追加
序章
あの人への想いをどんなふうに呼べばいいのか。
未だに僕は、ちょうどいい言葉を見つけられずにいる。
たった半年の、それでいてめまぐるしい時間の中で、彼は僕という人間を違う生きものに作り変えてしまった。
愛とか恋とか、そんなきれいなものじゃない。
僕は彼に執着して、求めて、求めて、壊れそうだった。
それでも自分を安定させて、希望と諦めに一時の折り合いをつけることも身につけた。
今となっては笑ってしまうような部分も多いけど……。
これは、僕が今よりずっとデザイン業界に夢と希望を抱いていた頃の話。
初めて好きになった人との出会いと別れ、そして――…
最初のコメントを投稿しよう!