太陽の王子様

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玲子の顔の目の前に智也の顔があった。みるみる真っ赤になる玲子。 「熱、ありそうだぞ」 「ひゃあぁ!」 智也は、玄関に入って来ると少しかがんで玲子の背中と太ももの後ろ辺りに腕を伸ばしてきて、あっと言う間に玲子をお姫様抱っこしてしまった。 「智也!」 「熱っぽいから、ベッドに運んでやる」 智也が玲子の家に上がる事は、これまでも何回となくあった。 ある時は、知り合い数人で鍋パーティーをした。また、ある時は、二人で家飲みした。お互いにフリーの時は、お互いの誕生日を祝った。 そんなに近くにいた。 いつも適当にスキンシップもあった。 でも、いつも意識してるのは、玲子だけだ。 ーーーこうして、智也の腕に抱かれて運ばれても……。智也にとって私は、ただの友達だ。それだけ。
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