14人が本棚に入れています
本棚に追加
「え~可哀想やんwww」
「他の人ならまだ良いけど、馬田君は無理!」
くしを奪った男子は、茶化してその女子が持っていたくしを返されても強く拒否した事を可哀想だと言ってふざけていた。
その女子にとって僕は汚い存在だったらしい。
「馬田君最低!」
「美優ちゃん、可哀想!」
「馬田君と班が一緒とか可哀想すぎやん!」
この美優(仮名)という娘は、クラスの中でも人気がある。
だから、クラスの女子はいっせいに僕を非難した。
念のために書いておくけど、僕は椅子に座っていただけで、何もしていない。
それでも、僕はこのクラスに必要ない存在になっていた。
今思えば、本格的ないじめと差別はこの頃から始まっていた。
(僕はもうこのクラスから必要とは思われてないのか)
この時、冷静にそう考えていた事を今でも覚えてい
る。
毎日、似たような事を部活で言われていたから、この時にはもう感覚が麻痺していたんだろうと思う。
「そんなくしをもらうくらいなら死んだ方がまし!」
最後に美優の言葉が教室に響いた。
そして、その日の部活が終わったの後の事だった。
最初のコメントを投稿しよう!