幼少期

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「はい!みんなにはこれから折り紙を作ってもらいます!」 職員である朽木先生(仮名)が淡々と授業(なのか?)を進めていく。 この朽木先生が僕は苦手だった。 授業を教えるのが厳しかったからだ。 掃除の時は、もたもたしていると、すぐに早く雑巾で拭きなさいと急かされたりしたからだ。 まぁ、それはともかく、折り紙てある。 (折り紙ってなんだろう?) 朽木先生が手に持っている折り紙を見ながら僕はそう思っていた。 でも、何となく折り紙というものは、とても難しそうなイメージがあった。 何か折り紙って難しそうだなと漠然と不安に思ったわけだね。 「折り紙はこうやって折ります」 朽木先生は、園児達がいる机に移動すると折り紙を折る見本を見せ始めた。 この日の課題は折り鶴だった。 園児達は朽木先生が作る折り鶴を見よう見まねで失敗を繰り返さしながら折り方を覚え、ついに折り鶴を完成させていた。 一方、僕である。 (これ、何かメチャクチャ難しい!!) 僕はこの折り紙を折る作業を一生懸命やるのだが、折り紙を折って鶴を作る段階の情報が全く頭に入ってこない。 「隆信君、鶴はこうやって作るのよ」 朽木先生は僕が鶴を作るのに悪戦苦闘しているのを見ると僕が座っている椅子の前に移動すると鶴の作り方を教え始めた。
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