14人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
急いで義弘の後を追いかけて行った僕が見たのは、義弘がロッカーの上に立って、隣の用具置場の上にテープを置いたのだ。
「取れるものなら取ってみろ!」
唖然とする僕を前に怒った義弘は、用具置場の上に置いたテープを取ってみろと啖呵を切ったんだね。
(あんな、高いとこにあるんじゃ、全然取れない!)
僕は、焦った。
僕の身長は、義弘より高いと言っても義弘と比べて、僕は、全く運動能力が無い。
ロッカーの上に上がって取ればいいんだろうけど、大人と違ってこの頃は、小学2年生だ。
運動能力の無い小さな子供がとても取りにいけるものではなかったんだ。
そうやってしばらくが経っていくなか、僕達の周りには、続々とクラスメートが集まって来る。
(あっ、チャイムだ!)
「みんな、そこに集まって何してるの?」
次の授業を告げるチャイムが鳴って担任の先生が姿を現した。
「隆信君が原田君とばかり、遊んで、僕と遊んでくれない」
義弘は僕と原田君ばかり、遊ぶのでやきもちを妬いてテープを用具置場の上にテープを置いた事を先生に説明した。
「そうやったんやね………それなら、隆信君と原田君と義弘君で今度から遊んでみたらどうかな?」
最初のコメントを投稿しよう!