ある噂

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ある噂

俺たちの間では、ある噂が流行っている その噂は 『学校裏の山の上の大きな木、そこには神様が宿っていて、木の前で願うと、その願いが叶うと言われている』 と言う内容だ 別に俺は信じていないが、これが俺らの学校でも流行している 「なぁ、真司」 「なんだよ響也」 今更だが、おれの名前は『古河 真司』だ で、今話しかけてきた頭の悪そうなチャラい奴が『中島 響也』だ 「今日みんなで裏山の木のとこ行くけど、お前も来いよ」 「噂に出てくる木か?」 「それ以外 裏山に何があんだよ」 「まぁ、そうだよな」 「でさ、行こーぜ」 「悪りぃけど、俺はパス」 「え! なんでだよ」 「めんどくさいし」 「その理由は、酷くないか?」 「じゃあ、家ですることがあった気がするんだよ」 「じゃあ、ってなんだよ」 「いいだろ別に」 「なぁ暇なんだろ、いこーぜー」 「やだよ、だいたい、そんな噂信じてるのかよ」 「信じてはないけどさー」 「ならいいじゃねぇか」 「そこは、ロマンの話だろ」 「おれは、ロマンより暇を取る男だ」 「いや、そんなの断言されても あ、それに桃ちゃんも来るぜ」 「は? うちの妹といつの間に約束したんだよ」 「昨日、メールでちょちょいとな」 「なんで桃なんだよ」 「だって、桃ちゃんがいるならお前くるだろ」 くそ、こいつバカのくせに頭使いやがった 「っち、何時なんだ?」 「お、くる気になったか」 「あぁ、行ってやるから時間を言え」 まぁ、イヤイヤだがな 「じゃあ、今日の8時ごろに学校の正門に集合で、よろしく」 「わかったよ、それで今日は何人くるんだ?」 「お前ら合わせて7人だ」 「了解した」 「じゃあ、また8時にな、遅刻すんなよ」 「わかってるよ」 「じゃ、アデュー」 あいつを見てると無性に殴りたくなる あいつとは、小さい頃からの友人でよく俺と妹と響也で遊んでいた、まぁあいつはバカだが、なかなかいい奴だ、まぁ、ムカつくけど 「叶えたい願いかー 木に願うことなんか、特にないしなー」 俺は、若干ため息交じりで独り言をつぶやいた 確かに叶えたい願いなんか無いと思う、でも俺の頭の中には1つの想い出がよぎっていた それが、なんなのかは、わからない でも、それは、ぬぐいきれない後悔の想い出だと思った
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