レモネード

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レモネード

考えたって全然分かんないし 後悔したって見えないし 君と わたしで 春を待つ 隣なのに遠いの なんでだろ。 少し雪が帰りはじめた 夕日が瞳を反射して 君の顔がやたら眩しくて まだまだ春は遠かった 隣に座って何か食べた 誰かが横を走り去る 笑い声と泣き声と怒鳴り声 小さな子供の声がした 君はまだ無言 少し 少し あともう少し 暗い世界の色が変わる どうしたってなくなんない わたしの苦しみも もう迷うな真っすぐ 君の声をめがけて 君と わたしで 春を待つ 遠いけど隣なの なんでだろ。 やっと花が戻ってきた 君はまだ戻ってこない 「ごめんお待たせ」聞こえた声は なんだかいつもと違うっぽい? ハチが飛び始める 枯れた見捨てられた木に 若葉が戻ってくる 君ももう戻ってくる 春の宵の夢 もう醒めない 暗い世界の音が変わる どうしたってなくなんない 私の悲しみも まだ迷うな真っすぐ 君の温もりをめがけて 君と わたしで 夏を待つ 隣なのにいないの なんでだろ。 空の色はもうキツい 日光の色がもうキツい ああ無理立ってらんない 暑い 弾けて昇る水の音 なんか冷たいもの一口ください 口に入れたら君のこと思い出せそうなやつを なにかの虫が鳴いている 強く強く儚く 耳の奥がうるさい ぼやけるアスファルト 少し日差しが弱まった 喉の奥がかわいた 黒ずむ空の隅 少し遅めの夕焼け小焼け  暗い世界の熱が変わる どうしたってなくなんない 私の失敗も やだ迷うな真っすぐ 君の心をめがけて 君と わたしで 秋を待つ 隣なのに居ないの なんでだろ。 満月がでしゃばってくる 皆に少し見られるからって 枯れて死んだ葉がでしゃばってくる 皆に少し褒められたからって こんなに綺麗なのにと君は笑った 去年の君は そんなこと言うなよと。 なんか温かいもの一口ください 口に入れたら君のこと・・・ ああやっぱいいです 何でもないの 夜空に霞んだ月 おぼろげな枯れ葉 丸くなった月は綺麗だった 色づいた葉は綺麗だった でも君のほうが綺麗だった 暗い世界の色が変わる どうしたって戻らない わたしの成功も もう迷おうよぐにゃぐにゃと 君の声から目を背けて cry、世界はもう終わる どうしたってなくなんない わたしの苦しみも まだ叫ぶな唐突に 君の声を目指して 君と わたしで 冬を待った 今は孤独に立ち尽くす 一緒に冬を待ってた人が もうとなりにいないの そりゃそうか。 もう冬は待てないかな まだまだ初雪は遠い なんか冷たいもの一口ください 口に入れたら君のこと忘れられそうなやつを 一口少し飲んでみて ぷはっと息ついて また一口今度は飲み干して やたらあっさり行きついて そう、君はまだ居るんだってことに また古いベンチに腰掛ける ギシッと優しい効果音 足をふらつかせる やっぱ 待ってないと落ち着かないな 私 一人で 君を待つ
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