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龍とは、世を造り上げた天帝より地を統べる任を担う五匹の龍神で五龍と呼ばれる。
春を司り、風を起こし、緑育む種を運ぶ青龍は、東を守護する。夏を司り、炎により恵みと罰を与える赤龍は南を守護する。秋を司り、金を育み、雷雲を呼ぶ白龍は西を守護する。冬を司り、水を守る黒龍は北を守護する。そして、天と対をなす地を任された龍達の長、黄龍は全ての龍の力を支え、繋ぐ地の力を持ち、正に其の地の中心を守護する役を担っている。
命が増え、多忙を極める様になった五龍達は其々、地の生ける者より大蛇を二名、自身の使いとして側に置く事を天帝より認められた。全ての生ける者達の中でも、強い精気を持ち、不老長寿である大蛇は特別な種族。其の中で更に強い力を持つ大蛇こそが、龍の使いとなれるのだ。神格迄は与えられない為、不死にはしてやれないが、龍に仕える力を持つ間は龍の加護により、悠久を生きる事と定められた。
此れは、黒龍に仕える翡翠色の大蛇による妙な初恋物語。
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