7人が本棚に入れています
本棚に追加
二十六歳、夏。
「透弥…」
葉耶の手が、俺の頬を拭う。
「知ってたよ、君が聡弥くんだってこと」
葉耶は、大きく息を吸う。
「最初は許せなかった。透弥が変わりに死んだこと、私が怒ると思った? って聞きたかった」
葉耶は、必死に続ける。
「だけど君は、完璧に透弥になり続けた。君が親たちどう思われてたか知ってたから、たまらなくなった」
ー全部。
「君はただ、愛が欲しかったんだよね。苦しかったんだよね」
最初のコメントを投稿しよう!