37.5

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 やがて熱くて硬いものが押し付けられて、シャノンはハッと目を見開いた。彼女を見下ろす彼の頬は紅潮しており、呼吸は荒く、乱れていた。わずかに細められた瞳には、並々ならぬ情欲の火種が燻っており、それは今にも炎となって燃え盛ろうとしているようだった。 「シャノン、ぼくを受け入れてくれ……」  哀願するように囁いて、彼はゆっくりとシャノンに腰を埋めていった。少しずつ少しずつ、彼はシャノンを満たしていった。途中、鋭い痛みがあったけれど、シャノンは逃げようとは思わなかった。  もっと彼に近付きたい。もっと彼を感じたい。  切なる想いを秘めながら、彼女は彼の背中に腕を回し、自ずと股を開いた。  彼のそれは素晴らしかった。彼は彼女を最奥まで満たしてくれた。彼は緩慢な動きで優しく彼女を揺さぶった。すでに二度も達していた彼女の身体は感覚が研ぎ澄まされて、快感を覚えるのもはやかった。お腹の奥がきゅうきゅうと伸縮し、彼を逃すまいと締め付けているのが彼女にもわかった。  またあの瞬間が近付いていた。意識が飛ばされてしまう前に、シャノンは彼を抱き締めて、止め処なくあふれる想いを彼に告げた。 「すき……好きよ、トリスタン。愛しているわ……」  激しく吐息が奪われた。彼は吠えるように唸りをあげると、さきほどよりも鋭く、激しくシャノンを突いた。瞬く間に快感がうねり、それは激流となってシャノンを飲み込んだ。シャノンは逞しい背中に爪を立て、引き締まった彼の腰を両脚で挟み込んでしがみついた。  やがてそのときは訪れた。彼は呻き、煮え滾るような情熱を彼女のなかに解き放った。シャノンは身を震わせて、彼の欲望と底知れぬ愛の証を、最後の一滴まで受け止めた。
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