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シャノンは必死に抵抗した。彼の腕から、執拗な口付けから逃れようと身をよじった。けれど、逞しいその男の身体はびくともせず、大きな手がシャノンの肩を、背中を撫でまわし、もう一方の手は綺麗に結い上げられた涅色の髪ごと後頭部を押さえつけた。口のなかを熱いぬめりが這いずって息ができない。シャノンはちからいっぱい男の胸板を叩いた。男は低くうめくと、シャノンの身体を撫でまわしていた手を引っ込めた。
ようやく解放されるのだ。シャノンはほっと胸をなでおろしたい気分になった。けれど、突然ドレスの胴着が緩み、彼女はぎょっと目を見開いた。ぷちぷちと弾けるような音が微かに耳に聞こえてくる。引っ込んだと思った彼の手は、淀みない動きで彼女のドレスの背中に並ぶボタンを次々にはずしていた。
あまりのことに狼狽えるシャノンに男が強引に伸し掛かり、東屋に備え付けられたベンチの上に彼女は背中から倒れ込んだ。コルセットに持ち上げられた乳房が冷たい夜気に晒されて、身体がふるりと震えてしまう。投げ出された脚のあいだに、丸太のような男の脚が滑り込んだ。
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