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家に帰り着くと、母が帰っていた。
「ただいまー。」
「きょうは、黎子の好きなミートオムレツ作るからね。待っててね。」
母は、なんだか機嫌が良さそうだった。
しばらくして、父も帰ってきた。
「お父さん、きょうは早いね。私のお陰かな。」
ソファに腰掛け、テレビを見ていると、マロンがやってきて、私の隣で丸くなった。
「マロン、私の代わりに2人の相手してくれてたんだね。ありがとね。」
そう言うとマロンは
「ニャア」
と返事をした。
しばらくして玄関のチャイムが鳴り、母がリビングを出て行く。
「誰だろう?」
聞き耳を立てる。
まずは母の声。
「真奈美ちゃん、来てくれたの。ありがとね。」
「おばさん、ご無沙汰しています。なかなか来れなくてすみません。」
「どうぞ、上がって。」
リビングに真奈美が入って来た。
私は、笑顔で出迎えた。
「真奈美、わざわざ会いに来てくれたんだ。ありがとう。」
「おばさん、私きょう、黎子に助けてもらったんですよ。信じてもらえないかもしれないけど、ホントなんです。だから、お返しに黎子の好きだったチョコレートケーキ買ってきました。きょうは絶対帰って来てますよ。だってきょうは黎子の命日だし…」
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