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アシ『ふふ。はい、確かに聞きました』
美保子『ふふ、よろしい!…って、もーう、誰かさんが好き勝手に喋って良いって言うもんだから、逆に纏め辛くなってきちゃったじゃないのー』
義一・アシ『あはは』
美保子『もーう、今はラグタイムの話じゃなかったのに…まぁ、いっか。勿論関連してるし、触れといて良かったかもね…リスナーが興味あるかは別にして。
…ふふ。で、えぇっと…元々はラグタイムの流れの中にバディはいて、ニューオーリンズでバンド活動をしてたんだけれど、彼は金管楽器にブルースを演奏させた最初の人物であると言われてるの。それに加えて、複数のバプテスト教会で聴いたゴスペル音楽からも影響を多大に受けてるんだけれど…』
アシ『あー、ここでゴスペルが出てくるんですね?』
美保子『あははは!ゴメンねぇ、回りくどくて?…ふふ、でね、ついでというか関連して、演奏スタイルにも軽く触れると、彼は他のコルネット奏者達を手本にするのではなくて、自分が「耳で」聴いた音楽を自分のコルネットに合うようにして演奏したの。これが当時かなりユニークでね、それでまた物珍しさもあって人気だった…らしい。
というのも、これも触れた様に、彼に関する話って口述歴史くらいしか無くて、録音も現存してないの。まぁ時代もあるんだろうけれど。何しろ一九世紀から二十世紀にかけての話だからね。
まぁ話を戻すと、さっき話した様に、耳に入る全ての音楽を自分なりにコルネットに合う様に編曲してった訳だけれど、ラグタイムに始まり、ゴスペル、マーチング、それにブルースがその流れの中で彼の中で融合されていったのね。その結果として生まれ出てきたのが…ジャズな訳。
この時にバンドの編成も変えてね、複数あった弦楽器をドラムとかのリズムセクションにして、フロントラインには複数のクラリネット、トロンボーン、そんでバディのコルネットを配置したの。繰り返しになるけれど、当時の音源とかは残ってないんだけれど、それでも残ってる感想なんかでは、こう書かれていたの。「ボールデンは、迫力があり、音が大きく、予想のつかない即興演奏を延々として見せた」とね』
アシ『はー…今、岸田さんの話をまた聞いた訳ですけれど、本当にジャズを作ったと言っても過言ではないみたいですね』
義一『まぁ…少なくとも、美保子さんを始めとする僕らの雑誌メンバーは、その認識を共有してるんだ』
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